「できない」を「できる」に変える創意工夫と金型技術によって、独創的な部品を作り出し、先端技術の恩恵を世界中の、より多くの人々が享受できる社会を実現したい。
部品で未来を創り、世界を変える。
部品で未来を創り、世界を変える。
私はものごころついた時から自宅兼工場で、毎日、プラスチックが溶ける時に出る独特なにおいの中、両親が小さな部品を作る後ろ姿を見ながら育ちました。
毎日遅くまで、時には父は徹夜までして納期に間に合わせるような、そんな両親の背中を見て育ったため、自分の中で仕事とは「モノを作る」ことというのが焼きついており、就職するときもモノづくりの会社以外は候補に挙がりませんでした。
ただ、毎日、独特なにおいの立ち込める工場で、油にまみれながら何に使われるのかもわからないような小さな部品を、徹夜までして作らなくてはならない実家の仕事には興味が持てず、お客様が直接手にする商品を自ら設計し、立上げることができるメーカーに就職を決めました。
その会社で私は、様々なアイディアを商品化するための製品設計を担当し、毎年いくつもの製品立上げに関わっていくうちに、ふとあることに気が付きました。
それは、どんなに素晴らしい最先端の製品でも、その実現には数多くの部品が必要になること、そして、その中の一つでも欠けると完成品にはならないということです。
考えてみれば当たり前のことなのですが、このことがわかった瞬間、徹夜明けで汗と油にまみれた顔で父が私に「これはな、今まで世の中に無い、世界初の部品なんだぞ」と言いながら見せた、あの嬉しそうな表情の奥にあった深い意味、そして、就職のときにはわからなかった家業の素晴らしさに気付かされました。
なので私は今、商品を作るうえで鍵となる重要な「部品」を生み出せるこの家業を引き継ぎ、「部品で未来を創り、世界を変えていく」という思いで今の仕事を続けています。