皆さん、こんにちは。
東京の大田区でプラスチック部品の成形とその金型設計製作を手がける有限会社今岡モールディング 代表の今岡です。
ブログご覧頂き有難うございます。
新年のご挨拶に続き、今回も私が担当させて頂きます。
今年は年始から能登半島で大きな地震があったこともあり、今回は以前に弊社社屋で実施した耐震補強のお話をしたいと思います。
弊社社屋は私たちが1985年にこの下丸子に移転するよりもだいぶ前、1968年に前の所有者が建てた建物で、建築基準法ではいわゆる旧耐震と呼ばれる建物になります。
2011年に発生した東日本大震災では震源から離れたこの大田区でも震度5強とこれまで経験したことの無いほどの揺れに見舞われたのですが、今後必ず起こると言われている首都直下型地震や南海トラフ地震ではさらに大きい震度と予想されております。
そこで、建屋が倒壊するリスクを減らし、今後も安心して事業を継続していくために、2012年に耐震診断と新耐震基準程度までの耐震補強を実施することに致しました。
しかし、いざ診断を行おうとしたところ、建築時の図面が残っておらず、まず現況図の作成から行う話となりました。
ちなみに、弊社のある建屋は3階建てで1,2階が工場、3階が住居という、大田区ではよく見かける職住一体の建屋なのですが、現況図作成には建物全体の鉄骨構造を調べなくてはならないということで、住居として使用している3階部分をスケルトン状態にするために急遽引越しをすることに・・・。
3階スケルトン状態
そして今回の計画で一番問題となったのが補強工事で鉄骨を溶接する時に火花が落下するため、工場を1ヶ月程度空けなくてはならないことでした。
金型と成形、両方の設備合わせると30台近い機械設備を全て一時的に他の場所に移し、1ヶ月後にまた戻すとなると、短期でこれだけの設備を置いておく場所の確保、移設前後も含め稼動できない期間が相当あることに加え、その移設費用もかなりかかります。
そこで工事を実施する建築設計会社様と協議を重ねた末、平日は住居となる3階部分を中心に補強工事を進め、工場内は都度、機械設備に養生を施し、週末の土日で進めるということで、工場は稼動させつつ、耐震補強を行うという話になりました。
最終的には、現状調査から始まり、現況図の作成、構造計算、補強設計、施工と半年以上かかる大工事となりました。
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